ソロ公務的見聞録

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ソロ公務

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2024年1月3日追記 さすがに看過してはならない記事です。

男性育休、初の3割超え=22年度の地方公務員―総務省調査 2023/12/25 17:11 時事

批判的に考えるべき

その1 「3割」をどう捉える

3割の数字云々はどうなの?という立場ですが、3割いてよかった、3割では足りない、3割は行き過ぎ、の三通りでしょうか。男性の育休は、管理職が取らせないと人事評価に響くため、趨勢として進みますが、そうまでしてやっとです。女性の100%に対して、全く歯が立ちません。

その2 期間が短いことに注意

その3も推測や考察ですが、男性1カ月超が3割の半数なら85%は取得1カ月未満か取得なしです。女性約1年のマミートラック化を減じ、男性は分割やテレワーク交え最低3カ月必須です。

その3 業務代替はどうするの

男性の育休期間が短いため見過ごされがちで、ほとんど既存職員に業務を振られます。率直に言えば、首肯できる分水嶺を越えるでしょう。その立場にない者は割を食わざるを得ません。職員の柔軟配置で頭数を確保し、非常勤も10割支給が必要です。休業本人は10割支給見込みで割愛。

その4 真の記事は原典にあり

本記事も重要ながら、真の記事にすべき別事象は明らかです。メンタルヘルス不調による休職が深刻すぎて記事にしたくない思惑が透けています。一義的に総務省の非はありませんけれど。

『地方公共団体の勤務条件等に関する調査結果の概要』、2023年1月に共同通信「心の不調で休み、3万8千人超 地方公務員、21年度」と報じた部分、翌年度「4万3千人超」に悪化しました。

  • メンタル休職割合が、政令指定都市1.6%、都道府県と市1.4%、町村1.2%と、各々0.1-0.2%・計5千人超増はコロナのみが原因か?とメディアは問うべきです。長時間労働、休職、退職へと至っていく過程は、離職が「高齢対策」でなく、教員や国家公務員の不足が地方公務員に及んでいる視点も必要で、人材確保を唱える一方、地方公務員の退職はバケツの穴が空き放題といえます。
  • 『地方公務員の退職状況等調査』における、例えば普通退職は民間流出を意味します。同じ指標に直すと政令指定都市1.2%、都道府県1.8%、市1.2%、町村1.4%と、各々0.1-0.2%・計5千人弱増との「大きく増加」を総務省も言及しましたが、メンタル休職と同数が離職し続けていると指摘し、人材の定着施策や離職防止を促すことが重要です。例えば「オンボーディング」導入です。

調査やフォローも遅いままで、「職員の健康確保措置に関する詳細は、別途通知」を待ちますが、人材の定着施策や離職防止への言及なしに済ませられる問題ではない、と思われます。

総務省は25日、2022年度の男性地方公務員の育児休業取得率が31.8%だったと発表した。前年度から12.3ポイント増え過去最高。半数近くが1カ月を超えて取得した。同省は、男性の育休に対する職場の理解が進んだことや、育休取得回数の制限を緩和する改正法が22年10月に施行されたことが背景とみている。

調査は首長部局のほか、警察や消防、教育委員会の職員が対象。都道府県の男性職員の取得率は27.2%で、最高は秋田の57.0%、最低は佐賀の14.9%だった。政令市は39.9%、その他の市区町村は36.4%。取得期間は2週間超1カ月以下が36.2%と最多で、1カ月超3カ月以下が23.0%で続いた。

https://portal.jamp.jiji.com/portal/news/detail/2023122500559

産経・毎日は報じていました。毎日は有料のため割愛。産経記事です(2024.1.15記)

心の不調で休んだ地方公務員は4万3000人 2022年度、職員全体の1・4%に
2023/12/25 18:57
総務省が25日に公表した調査結果では、2022年度に心の不調で1カ月以上の病気休暇を取ったか休職した地方公務員は、4万3688人だった。初めて調査対象に加えた21年度より5221人増え、職員全体(311万人)に占める割合は1・4%となった。

割合は政令指定都市が1・6%で最も高く、都道府県と市区がそれぞれ1・4%、町村が1・2%だった。総務省の担当者は「長時間労働や人間関係、人手不足などさまざまな要因が考えられる」と指摘。状況に応じた対策を定めた計画の策定を促している。

職員の処分に関する別の調査では22年度に、けがも含む心身の故障を理由に分限処分を受けた地方公務員は3万4520人で、過去最多を更新した。前年度から2999人増で、内訳は休職3万4450人、降任44人、免職26人だった。

https://www.sankei.com/article/20231225-C7MGANGVTZLG3PH4RSLLEEGOEY/

2023年12月27日初記

テレワーク、企業に努力義務=仕事と育児両立支援―厚労省 2023/12/26 11:25 時事

見方

○育児支援のテレワーク導入促進について、コロナ禍で導入の進んだテレワークでしたが、軒並み原則出社に揺り戻す傾向に、努力義務とはいえ、ガツンとクギを刺す影響の大きな動きです。

○仕事内容を精査し、通勤・出社時間を減らす取組の一方、住環境上の制約は見過ごされています。つまり、テレワークに向かない人・性格、周囲ないし環境はあり得るので検証を要します。

○介護休業取得者にも適用すべきかと思いますが、どうでしょう。難しいのは、介護休業は介護自体のためでなく、要介護・支援認定やケアプラン、バリアフリー工事などが目的だからです。

厚生労働省は26日、労働政策審議会(厚労相の諮問機関)の分科会を開き、仕事と子育ての両立支援充実のための報告をまとめた。テレワーク導入を企業の努力義務とすることなどが柱で、同省は育児・介護休業法などの改正案を2024年の通常国会に提出する。

報告では、子どもが3歳になるまでの間、従業員がテレワークを利用できるよう企業に努力義務を課す。3歳から小学校入学前までは、テレワークや始業時刻の変更、短時間勤務制度など柔軟な働き方から二つ以上導入することを義務付け、従業員が一つを選んで使えるようにする。

現在従業員1000人超の企業に義務付けている男性の育児休業取得率の公表については、300人超に対象を拡大。男性の育休取得を促し、女性に偏りがちな育児負担の是正を図る。

仕事と介護の両立では、介護離職防止を目指して制度の周知を強化する。介護保険料の負担が生じる40歳の従業員に対し、介護休業などに関する情報を提供するよう企業に義務付ける。 

https://portal.jamp.jiji.com/portal/news/detail/2023122600044

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長年携わっており、仕事の進め方も相当変化した一方、依然として変わらない実態もある、公務の来し方行く末を考えていきます。
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