時事関係

「春闘」は還元や消費を遅らせる

ソロ公務

「春闘」春季生活/労使闘争の季節に入りました。

これらの儀式を含め、日本企業の発展を支えた三種の神器、「終身雇用」「年功序列」「企業別組合」のほか、新卒一括採用や定期昇給など独特の雇用賃金慣行は、かなり崩れてフィクションになったと考えられます。

新卒入社で在籍は22%

キャリアバイブル(運営会社:株式会社NEXER)の「新卒入社した会社と転職に関するアンケート」によると、「現在も新卒で入社した会社に勤めている」が30代以下で32.7%、40代で17.3%、50代で16.7%で少ないとしています(この年代計で22.2%と算出)。

企業規模は不明で、公務員でもないため、大企業や公務員における「新卒入社で在籍」はもっと多いと思われますが、それでも転職や経験者採用は珍しくなくなりました。

終身雇用と年功序列の実態なく、転職後給与は下がる

新卒から第一線を退くまで一所懸命も尊いですが、終身雇用と年功序列の双方の実態は無くなりつつあります。一方、給与体系は終身雇用と年功序列に重きを置くままで、経験を買われても転職後の給与は下がります。企業別組合が労使で結んでいる定期昇給の積み重ねがないからです。

企業別組合

産別組合の組織化が弱く、企業内組合が志向されるため、企業別の業績や論理によってしまい、労使協調は馴れ合いとなり易いです。理解し難いのは、労働組合費が高いとされる一方、労働組合の本分を果たさず政治主張に現を抜かしているため、推定組織率16.5%へと低下の一途です。

既得権の傾向

企業別組合の所帯は小さいため情報を持たず、人事制度を進んで研究もせずに既得権を守る傾向も強く、経営者に対し、定昇・ベースアップ要求・拒否の姿勢に終始すれば将来はありません。

定期昇給のための定期昇給・ベースアップは不要

定期昇給・ベースアップは手段と目的を履き違えて、労使双方ともに目的を失ったと考えます。定期昇給は能力が年々伸長していく思想と紐づきますが、経営にそれらを維持できるだけの資源はなくなっているし、ブレイクスルーや業績貢献を除けば、労働者の能力も毎年は伸びません。

個々人に還元する方が早い

つまり、ブレイクスルーや業績貢献に応じて、個々の労働者に昇給や賞与の形で経営資源を早期に還元するのが合理的で、賃上げをあまねく労働者に行う必要性は薄く、納得も得られません。

公務員は11月以降

その年の民間との比較で決まりますから、早期の定期昇給や人事評価の反映は微小であり、ベースアップや賞与への還元も押しなべたもので、支給時期も早くて11月以降となってしまいます。

消費に向かわない

よほど見通しの立つ人を除き、今の春闘は還元を遅らせて早々消費や投資に向かうことはなく、昨今の値上げを回収=実質賃金が名目賃金を上回ると確信できるまで、難しいと悲観的です。

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20年以上
長年携わっており、仕事の進め方も相当変化した一方、依然として変わらない実態もある、公務の来し方行く末を考えていきます。
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